新設工場の空調を、CO2削減の一手に。RP東プラが年間58.5tのCO2削減を実現した、地中熱空調システム「サーチェス®」

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株式会社イノベックス

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RP東プラ株式会社(以下、RP東プラ様)は、新設した関東群馬工場・第二工場に、地中熱システム「サーチェス®」を導入しました。

同社では、CO2削減やカーボンニュートラルに向けた取り組みを進めており、新設した第二工場でも、環境負荷を抑えた空調設備の導入を検討していました。当初は一般的な空調設備で計画が進んでいましたが、CO2削減・省エネを見据え、地中熱を活用した空調システム「サーチェス®」を導入しました。

イノベックスは、地中熱の仕組みや効果の説明から、導入済み工場の見学、補助金申請、建設会社との工程調整、施工管理までを支援。導入後も、CO2削減効果の確認に加え、風量や空気循環などの運用面まで継続的にサポートしています。

今回は、地中熱システム「サーチェス®」導入の背景から、導入後も続くイノベックスの伴走について、RP東プラ株式会社 関東群馬工場 事業所長の羽田様、設備管理部 東日本設備管理課 課長の三瓶様と、提案担当のイノベックス 福宮、施工管理担当のエイゼンコーポレーション 大原にインタビューを行いました。



目次

環境負荷低減を見据えた新工場へ。RP東プラが選んだ地中熱システムの導入

――まず、RP東プラ様の事業内容について教えてください。

羽田様 
当社は、熱可塑性プラスチックの加工を行っています。加工方法としては、シート押出、真空成形、射出成形の3つが中心です。

今回「サーチェス®」を導入した関東群馬工場は、その中でもシート押出を行う工場です。シート事業のメイン工場にあたり、食品包材の分野で使われるシートや、工場内で使用されるトレーなどを製造しています。第二工場は、こうしたシート事業の生産体制をさらに強化するために新設した工場です。


――今回、関東群馬工場の第二工場に地中熱システム「サーチェス®」を導入した背景を教えてください。

羽田様 
当社では、CO2削減に向けた目標として、国の温室効果ガス削減目標も踏まえながら、2030年に46%削減、2050年にカーボンニュートラルを掲げています。関東群馬工場でも、工場の屋根に太陽光パネルを設置するなど、環境負荷を抑えるための取り組みを進めてきました。

今回「サーチェス®」を導入した第二工場は、2025年5月より稼働を始めた新しい工場です。新工場の空調設備を検討するにあたり、当社の環境目標に沿った設備を取り入れたいという考えがありました。

もともとは一般的な空調設備を導入する計画で進んでおり、最初の設計図も通常の空調機で描かれていました。その後、地中熱システムの話を聞き、CO2削減や省エネにつながる空調設備として比較検討することになりました。

RP東プラ株式会社 関東群馬工場 事業所長 羽田様

――通常の空調設備ではなく、地中熱システムを検討するうえで重視したことは何でしたか。

羽田様 
最終的には、環境価値を重視した点が大きかったと思います。プラスチックを扱う事業として、CO2削減やカーボンニュートラルに向けた取り組みは重要なテーマです。

もちろん、空調設備なので電気代の削減にもつながる部分はあります。ただ、当社の場合、生産設備で使う電力が非常に大きいため、空調だけを切り出してコスト面の効果を見るのは難しいところがあります。今回の導入は、電気代削減そのものが目的というよりも、新工場の設備計画において、環境負荷を抑えられる選択肢を取り入れたい、という考えが大きかったです。

――工場内の空調環境について、どのような特徴がありますか。

羽田様 
プラスチックを加工する工場なので、熱をかけて材料を溶かす工程があります。ヒーターの温度は300℃近くになるため、その周辺は非常に高温になります。

そのため、発熱するエリアと、人が主に作業するエリアを分ける必要があります。今回の第二工場でも、熱が発生する場所と作業者が動く場所を仕切り、作業エリア側に空調を届ける設計にしています。

CO2削減が大きな目的ではありましたが、それに加えて、工場設備の特性を踏まえ、作業環境の向上も視野に入れていました。高温になる工程を持つ工場だからこそ、どのエリアにどのように空調を届けるかを考えながら、「サーチェス®」の導入を進めました。

地中熱を「事例」で丁寧に説明。導入前の不安を解消

――地中熱システム「サーチェス®」を知ったきっかけを教えてください。

羽田様 
第二工場の新設にあたっては、当初、一般的な空調設備を導入する前提で計画が進んでいました。一方で、当社ではCO2削減やカーボンニュートラルに向けた取り組みを進めていたため、新工場の設備にも環境負荷を抑えられる選択肢を取り入れたいという考えがありました。そうした中で、地中熱システム「サーチェス®」について紹介を受けたことが、検討を始めるきっかけになりました。

正直なところ、最初は地中熱を使った空調設備についてほとんど知りませんでした。地熱という言葉は聞いたことがあっても、地中熱を空調に活用する仕組みや、工場設備としてどのような効果があるのかは、イメージしにくい部分がありました。

そうした中で、実際に「サーチェス®」が導入されているイノベックスの静岡県袋井工場を見学し、現場で空調の効き方を確認しながら、どのような設備なのかを具体的に理解していきました。

――イノベックスの説明や対応について、どのような印象がありましたか。

羽田様 
「サーチェス®」についてまったく知らない状態からの検討でしたが、イノベックスには「どういう仕組みで、どのような効果があるのか」を丁寧に説明していただきました。

実際の導入事例を見学できたこともあり、検討を進めやすかったと思います。分かりにくい設備だからこそ、仕組みや導入後のイメージをひとつひとつ確認できたことは良かったですね。

株式会社イノベックス 執行役員 ジオサーマルトランスフォメーション事業部長 福宮

――イノベックスとして、初期提案ではどのような点を意識しましたか。

福宮 
「サーチェス®」は、一般的な空調設備と比べても仕組みが分かりにくい部分があります。そのため、まずはRP東プラ様が新工場の空調に求めていることを確認し、「サーチェス®」でCO2削減や省エネ、工場内の空調計画といったニーズに応えられるのかを整理するところから始めました。

今回の導入では、当初予定されていた100kW規模の空調能力を、必要なエリアにどう効率よく届けるかが、設計上の重要なポイントでした。熱源機を大きくすれば余力は持てますが、その分、イニシャルコストも膨らみます。そこで、工場内部の空間をビニールシートで仕切るなど、限られた空調能力を必要なエリアに届けるための工夫も含めて、「サーチェス®」を活用した空調計画をご提案しました。

――一般的な空調設備での計画が進んでいたなかで、「サーチェス®」をご提案するにあたり、どのような点がポイントになりましたか。

福宮 
一般的な空調設備で計画が進んでいた中で、新たな選択肢として「サーチェス®」を検討いただくには、仕組みだけでなく、通常の空調設備との違いや、導入するメリット・デメリットをご理解いただく必要があります。

そこで、「サーチェス®」の仕組みや省エネ効果、CO2削減につながる考え方に加え、補助金申請や施工時に必要となる条件についてもご説明しました。既存の導入工場を見学いただきながら、一般的な空調設備との違いや導入後のイメージをご理解いただけるよう、検討に必要な情報をひとつひとつ整理していきました。



補助金申請から施工調整まで。導入実務を支えたイノベックス

――導入が決まってから施工完了までは、どのように進みましたか。

三瓶様 
第二工場の建設と並行して、「サーチェス®」の導入を進める必要があったため、建設会社との日程調整や施工エリアの使い方について、細かくすり合わせを行いました。

ただ、計画をすり合わせた後は、イノベックスが建設会社や関係会社とも連絡を取りながら進めてくれました。そのため、当社側で細かな調整に大きく苦労することは少なかったです。

補助金申請についても、イノベックスに支援していただきました。「サーチェス®」の仕組みやCO2削減効果など、専門的な内容を整理してもらえただけでなく、申請書類の作成手順や必要資料の確認など、補助金申請自体のノウハウも踏まえてサポートしていただきました。そのおかげで、当社としても内容を随時確認・判断しながら、申請に必要な準備を進められました。

RP東プラ株式会社 設備管理部 東日本設備管理課 課長 三瓶様


――施工完了までは、どのように関係者間の調整を進めたのでしょうか?

大原 
「サーチェス®」の工事自体は、補助金の採択後、契約・着工できるようになってから約3か月で完了しました。ただ、その前段階にあたるご提案、RP東プラ様でのご検討、補助金申請までは、1年以上かけて進めています。

施工計画において重要だったのは、第二工場の建屋工事と並行しながら、ボーリング工事を含む「サーチェス®」の施工工程をいかに組み込むかという点でした。「サーチェス®」は、空調機器の設置に加えて、地中熱交換器を埋設するためのボーリング工事が必要です。そのため、ボーリング機械の作業スペースや地中熱交換器の設置位置、建屋内へつなぐ配管ルートを、建屋工事や外構計画と照らし合わせて事前に整理しました。

実際に、ボーリングエリアを確保するため、建物全体の配置を北側に2メートルほどずらしていただいた部分もあります。ゼネコンや関係会社の皆様と調整を重ね、ご協力をいただけたことで、着工後は比較的短い期間で施工を完了できました。

――建屋工事が進む中で「サーチェス®」を施工するにあたり、どのような体制で管理を行ったのでしょうか。

大原 
地中熱空調の施工では、設備そのものの設計・施工だけでなく、建築側の工程や他の設備工事との調整も重要です。特に今回のように、第二工場の建屋工事と並行して「サーチェス®」を導入する場合、現場の状況を継続的に確認しながら進める必要がありました。

そこで今回は、イノベックスがこれまで培ってきた施工管理パートナーをはじめとする協力会社ネットワークも活用し、地中熱空調システムの施工を専門に担うグループ会社であるエイゼンコーポレーションにも、地元企業としてご協力いただきました。現場には施工管理の担当者を配置し、全体の工程を確認しながら、お客様や工事会社の皆様に必要な説明を行い、関係者に過度な負担がかからないよう調整を進めました。

「サーチェス®」は、工場の条件や施工環境によって調整すべき点が変わる設備です。だからこそ私たちは、補助金申請のサポートや施工条件の整理、ゼネコンとの工程調整まで一貫して伴走することが、地中熱空調の専門家としての役割だと考えています。

施工管理を担当した株式会社エイゼンコーポレーション 大原

CO2削減目標を上回る年間58.5tの削減効果

――導入後のCO2削減効果について教えてください。

三瓶様 
補助金申請時には、「サーチェス®」の導入によって年間46.3tのCO2削減を見込んでいました。導入後の実績では、年間58.5tのCO2削減効果が確認できており、当初の目標を上回る結果となっています。

新設した第二工場への導入だったため、導入前後で電気代や空調効率を単純に比較することは難しい部分がありますが、CO2削減という目的に対しては、申請時に立てた目標を上回る数値が出ており、環境負荷の低減に効果があったと捉えています。

――今回の結果を、どのように評価されていますか。

羽田様 
当社では冒頭でもお話しした通り、2030年に向けたCO2削減や、2050年のカーボンニュートラルを見据え、工場設備の面でも環境対応を進めています。その中で、第二工場の空調設備として「サーチェス®」を導入し、目標を上回る削減効果が確認できたことは、当社の環境目標に向けた具体的な前進だと感じています。

プラスチックを扱う企業として、環境負荷をどう抑えていくかは今後も重要なテーマです。生産活動を続けるうえでは、製造工程だけでなく、工場を支える設備にも多くのエネルギーを使います。だからこそ、新しい設備を導入するタイミングで、環境性能を含めて検討できたことには大きな意味があったと思います。

空調システム付近に設置された、地中熱空調の仕組みと効果を説明するパネル

――イノベックスとして、この結果をどのように受け止めていますか。

福宮 
補助金申請時に設定していたCO2削減目標を上回る結果が出たことは、「サーチェス®」を提案した立場としても良かったと感じています。

「サーチェス®」は、年間を通じて温度が比較的安定している地中熱を活用することで、空調にかかるエネルギー使用量を抑える設備です。一方で、工場の空調は、生産設備の稼働状況や季節、現場の使い方によって求められる条件が変わります。

そのため、導入後もCO2削減効果を確認しながら、風量や空気循環、運転条件などを現場の状況に合わせて見直していくことが重要です。今回確認できた削減効果を維持し、より良い状態で使い続けていただけるよう、今後も運用面まで含めてご支援していきたいと考えています。

今回設置した地中熱システム「サーチェス®」の外観。地中熱を活用して空調にかかるエネルギー使用量の低減を図る。

設備導入で終わらない。運用改善まで続くイノベックスの伴走支援

――導入後の「サーチェス®」の運用について、現在はどのような相談をされていますか。

三瓶様 
実際に第二工場が稼働し始めると、作業場所によって空調の感じ方に違いがあったり、もう少し風を届けたいと感じる場面が見えてきました。

プラスチック加工の工程では、ヒーターなどの熱源があるため、工場内の一部では温度が高くなる場所もあります。そのため、「サーチェス®」を導入して終わりではなく、風量や空気の流れを見ながら、作業エリアにより適切に空調を届けられるよう、イノベックスに相談を続けています。

工場の稼働状況や季節によって、空調に求める条件も変わります。導入後も現場の状況を踏まえて、風量や空気循環の改善などを相談できることは心強いですね。

パージポンプ。地下水を少量・断続的にくみ上げることで、ヒートクラスターの性能を安定的に引き出す役割を担う。

――イノベックスとして、導入後の支援ではどのようなことを大切にしていますか。

福宮 
「サーチェス®」は、導入して終わりの設備ではありません。工場の稼働状況や設備の配置、作業者の動線、季節によって、空調の感じ方や必要な調整は変わります。今回も、風量や空気循環についてご相談をいただいており、地中熱を活用した空調設備としての性能だけでなく、実際の工場内でどのように空気を届けるかまで見ながら支援を続けています。

私たちは、設備を納めて終わりではなく、15年、20年と長く良い状態で使っていただくことを大切にしています。「サーチェス®」は、CO2削減や省エネに貢献できる一方で、導入前の設計、補助金申請、施工調整、導入後の運用まで含めて検討することが重要な設備です。だからこそ、地中熱空調の専門家として、工場ごとの条件に合わせた導入計画から運用支援まで伴走し、環境対応に取り組む企業を支えていきたいと考えています。

――「サーチェス®」の導入を、他社に勧められると感じるポイントはありますか。

羽田様 
「サーチェス®」は、CO2削減効果を数値で確認できる点が大きいと思います。当社でも、補助金申請時の目標を上回る削減効果が出ており、環境対応に取り組むうえで分かりやすい成果になりました。

地中熱という仕組みは、最初は分かりにくい部分もありますが、イノベックスには仕組みや効果を丁寧に説明してもらい、実際に導入されている工場も見学できたため、導入後のイメージを持ちながら検討を進められました。

補助金申請や施工調整の面でも支援してもらえたので、新工場の建設や設備更新のタイミングで、CO2削減や省エネに取り組みたい企業にとっては、検討しやすい選択肢になると思います。




地中熱源空調システムの活用事例集はこちら



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