工場や施設の省エネ対策を検討する際、「初期投資が高額で二の足を踏んでしまう」「本当にコスト削減効果があるのか不安」といったお悩みはありませんか?
設備投資の判断において最も重要な指標の一つがROI(投資収益率)です。本記事では、地中熱システムのROIを具体的な数値とともにわかりやすく解説いたします。
近年、カーボンニュートラルへの対応やエネルギーコスト高騰により、地中熱空調システムへの注目が高まっています。補助金を活用すれば実質負担を大幅に抑えられるため、想像以上に早期の投資回収が可能です。
本記事では、経営層や関係部署への提案に必要な具体的な数字と根拠もお伝えいたします。
目次
地中熱源空調システムのROI(投資収益率)とは?
ROI(Return On Investment)とは、投資に対してどれだけの利益が得られるかを示す財務指標です。
計算式:ROI(%) = (投資によって得られた利益 ÷ 投資額)× 100 |
地中熱空調システムの場合、以下のような利益が見込めます:
- エネルギーコストの削減 (年間光熱費の低減)
- メンテナンスコストの削減 (従来空調と比較して故障が少ない)
- 補助金・税制優遇 (初期投資の実質負担軽減)
- CO2削減によるカーボンクレジット
- 不動産価値の向上 (ZEB認証取得など)
設備投資の判断では、ROIと併せて投資回収期間(何年で初期投資を回収できるか)も重要な指標となります。
ROI試算に必要な5つの要素
地中熱システムのROIを正確に算出するには、以下の5つの要素を考慮する必要があります。
① 初期投資額
- ボーリング工事費
- 地中熱ヒートポンプ設備費
- 配管工事費
- 設計・コンサルティング費用
② 年間エネルギーコスト削減額
- 地中熱源空調システムの地中部分:50年以上
- ヒートポンプ設備:15〜20年
- 従来空調(10〜15年)と比較して長寿命
③ メンテナンスコストの削減
- 地中熱システムは室外機が不要またはコンパクトで、メンテナンス頻度が低い
- 冷媒の補充や圧縮機の修繕費用が削減できる
④ システムの耐用年数
- 地中熱システムの地中部分:50年以上
- ヒートポンプ設備:15〜20年
- 従来空調(10〜15年)と比較して長寿命
⑤ 補助金や税制優遇
環境省や経済産業省の補助金、自治体独自の制度を活用すれば、実質1/2の自己負担で導入可能なケースもあります。例:
- 環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」
- 経済産業省の「省エネルギー設備投資に係る利子補給金」など
【実例】地中熱システムのROI概算シミュレーション
ここでは、中規模工場や施設を想定した具体的なROI試算をご紹介します。
■ 前提条件(一般的な地中熱システム)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 初期投資額 | 1億円 |
| 補助金 | 3,000万円 |
| 純投資額 | 7,000万円 |
| 年間エネルギーコスト削減 | 1,000万円 |
| 年間メンテナンスコスト削減 | 200万円 |
| 年間収益 | 1,200万円 |
| システム耐用年数 | 15年 |
| 年間減価償却費 | 約467万円 |
■ 投資回収を3つの視点で見る
地中熱システムの投資効果は、見る視点によって異なる数値になります。経営判断には複数の指標を組み合わせて評価することが重要です。
① キャッシュフロー視点:単純回収期間
実際の資金の流れだけで見た場合です。
単純投資回収期間 = 7,000万円 ÷ 1,200万円 = 約5.8年
実際に出ていったお金が、実際に入ってくるお金で何年で回収できるかを示します。財務担当者やCFOが最も気にする指標です。
② IRR(内部収益率)視点:投資の収益性
この投資を「年利何%の金融商品」として評価すると:
キャッシュフローの前提:
- 初年度:▲7,000万円
- 1年目~15年目:+1,200万円/年
この条件で計算すると、**IRRは約14~15%**となります。
この投資は「年利14~15%で運用する金融商品」と同等の収益性があるということです。一般企業のWACC(資本コスト)が通常5~8%程度であることを考えると、大きく上回る優良投資といえます。
設備投資の世界では、IRR 10%以上が採算ラインとされ、15%以上であれば優良投資案件として評価されます。上場企業の平均ROEが約8~10%程度であることを考えると、地中熱システムがいかに魅力的な投資かがわかります。
③ 会計ROI視点:経営会議で使える数字
経営会議や稟議で最も理解されやすいのが、この会計ROIです。
会計上の年間利益:
年間キャッシュフロー 1,200万円 - 減価償却費 467万円 = 税引前利益 733万円
会計ROI:
会計ROI = 733万円 ÷ 7,000万円 × 100
= 約10.5%
この10.5%という数字は、決算書に反映される利益ベースでの収益率です。経営陣にとって最も理解しやすく、他の投資案件との比較も容易です。
15年間トータルでの経済効果
|
項目 |
金額 |
|
15年間の累計キャッシュフロー |
1億8,000万円 |
|
純投資額 |
▲7,000万円 |
|
純キャッシュ増加額 |
1億1,000万円 |
15年間トータルROI = 1億1,000万円 ÷ 7,000万円 × 100
= 約157%
■ 3つの指標を使い分けるポイント
|
指標 |
数値 |
使う場面 |
|
単純回収期間 |
約5.8年 |
財務部門・CFOへの説明 |
|
IRR |
14~15% |
投資委員会での承認 |
|
会計ROI |
10.5% |
経営会議での稟議 |
上記試算では、すべての指標で「投資価値が高い」と判断できる案件であることがわかりました。
従来システムと比較した地中熱のコストメリット
地中熱システムは従来の空調システムと比較して、どの程度のコストメリットがあるのでしょうか?
■ 年間ランニングコスト比較(延床面積5,000㎡の施設)
|
空調システム |
年間コスト |
削減額 |
削減率 |
|
従来型空調(吸収式冷温水器) |
2,800万円 |
- |
- |
|
一般的な地中熱システム |
1,600万円 |
▲1,200万円 |
▲43% |
※吸収式冷温水器は都市ガスまたは重油を使用する従来型の大型空調設備です。
地中熱源空調システムは、年間で約43%のランニングコスト削減が可能です。
■ 15年間のライフサイクルコスト比較
|
項目 |
従来型空調 |
地中熱システム |
差額 |
|
イニシャルコスト |
6,500万円 |
1億円(補助後7,000万円) |
+500万円 |
|
15年間ランニングコスト |
4億2,000万円 |
2億4,000万円 |
▲1億8,000万円 |
|
トータルコスト |
4億8,500万円 |
3億1,000万円 |
▲1億7,500万円 |
15年間で約1億7,500万円のコスト削減が見込めます。
さらに、従来型空調は10~12年で大規模修繕または更新が必要になるのに対し、地中熱システムの地中部分は50年以上メンテナンスフリーで使用できます。
■ CO2排出量削減効果
|
空調システム |
年間CO2排出量 |
削減率 |
|
従来型空調(吸収式冷温水器) |
約600トン |
- |
|
地中熱システム |
約240トン |
▲60% |
年間約360トンの削減は、約180世帯分の年間CO2排出量に相当します。
ROIをさらに高める3つのポイント
地中熱システムのROIは、以下の工夫でさらに向上させることができます。
① 補助金・優遇制度の最大活用
複数の補助金制度を組み合わせることで、初期投資を大幅に削減できます。
- 国の補助金:最大50%
- 自治体の補助金:最大20%
- 税制優遇:即時償却または税額控除
- 実質負担を1/3以下に抑えられるケースも
補助金申請には専門知識と煩雑な手続きが必要ですが、経験豊富なパートナーに依頼することでスムーズに進められます。
② 適切な空調負荷計算とシステム設計
過剰なシステム設計は初期投資の無駄につながります。
- 建物の断熱性能を正確に評価
- 使用用途に応じた最適な空調負荷を算出
- 必要最小限のボーリング本数で最大効率を実現
専門コンサルタントによる精密な解析が、無駄のない投資を実現します。
③ ZEB認証・カーボンクレジットの活用
地中熱システム導入により、以下の付加価値が生まれます。
- ZEB認証取得による不動産価値向上
- CO2削減量のカーボンクレジット化による収益
- ESG投資の呼び込みによる企業価値向上
- BCP(事業継続計画)対応力の強化
また、すでに再生可能エネルギー由来の電力を割高で購入している場合には、地中熱による省エネ効果で再エネ電力の購入量を削減でき、その割高分も相殺できます。
これらを金銭換算すると、ROIはさらに10〜20%向上する可能性があります。
高性能地中熱システム「サーチェス®」なら投資指標がさらに向上
当社の地中熱システムは、従来の地中熱工法と比較して圧倒的な性能を誇ります。
■ 従来の地中熱工法の1/5のボーリング本数で同等性能
当社独自の技術により、従来の地中熱システムの4〜5倍の熱交換性能を実現。
メリット:
- ボーリング工事費が1/5に削減
- 工期短縮(工事期間が約40%短縮)
- 設置スペースの大幅削減
■ 高性能システムの投資指標比較
|
項目 |
一般的な地中熱 |
サーチェス® |
差額 |
|
純投資額 |
7,000万円 |
5,000万円 |
▲2,000万円 |
|
年間キャッシュフロー |
1,200万円 |
1,200万円 |
- |
|
年間会計利益 |
733万円 |
867万円 |
+134万円 |
■ 3つの指標での比較
|
指標 |
一般的な地中熱 |
サーチェス® |
改善 |
|
単純回収期間 |
5.8年 |
4.2年 |
▲1.6年 |
|
IRR |
14~15% |
21~22% |
+7pt |
|
会計ROI |
10.5% |
17.3% |
+6.8pt |
当社システム「サーチェス®」はIRR 20%を超える超優良投資案件といえます。
■ 15年間の経済効果比較
|
項目 |
一般的な地中熱 |
サーチェス® |
差額 |
|
純投資額 |
7,000万円 |
5,000万円 |
▲2,000万円 |
|
純キャッシュ増加 |
1億1,000万円 |
1億3,000万円 |
+2,000万円 |
|
15年間トータルROI |
157% |
260% |
+103pt |
当社の高性能システムなら、一般的な地中熱システムと比較して15年間で約2,000万円多く利益を生み出します。
■ 年間100件以上の実績に基づくコンサルティング力
当社は業界歴15年以上の専門家として、空調エネルギー効率最適化のご相談を年間100件ほど実施しています。
サポート内容:
- 建物の特性に応じた最適なシステム設計
- 正確なROI試算と費用対効果分析
- 補助金申請から施工・運用支援までワンストップサポート
- 上場企業ならではの安心感と、大企業の社内プロセスへの理解
複数業者とのやり取りやスケジュール調整の手間を大幅に削減し、導入後のメンテナンス・運用支援まで安心してお任せいただけます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 地中熱システムの初期投資は本当に回収できますか?
A. はい、適切なシステム設計と補助金活用により、多くのケースで5〜7年程度で投資回収が可能です。当社の高性能システムなら約4年での回収実績もございます。
Q2. 既存施設への後付けは可能ですか?
A. 可能です。既存の空調システムと併用する形での段階的導入も可能です。改修工事のタイミングに合わせて導入されるケースが多くなっています。
Q3. 補助金申請は複雑と聞きましたが...
A. 確かに申請書類の作成や要件確認は専門知識が必要です。当社では補助金申請の実績が豊富で、申請書作成から採択までトータルサポートいたしますのでご安心ください。
Q4. メンテナンスは大変ですか?
A. 地中熱システムは従来空調と比較してメンテナンス頻度が低く、ランニングコストも抑えられます。地中部分は50年以上メンテナンスフリーです。
Q5. どのくらいの規模の施設に向いていますか?
A. 延床面積1,000㎡以上の工場、オフィスビル、商業施設、病院、学校などに適しています。24時間稼働する施設や空調負荷の大きい施設ほど、費用対効果が高くなります。
まとめ:地中熱システムで実現する持続可能な経営
地中熱空調システムは、高いROIと短期間での投資回収を実現できる優れた省エネ設備です。
エネルギーコストの高騰が続く中、地中熱システムは経済性と環境性を両立できる有力な選択肢です。
カーボンニュートラルへの対応、ESG経営の推進、労働環境の改善など、多角的なメリットがあります。
次期設備投資計画に、高いROIが期待できる地中熱システムという選択肢を加えてみてはいかがでしょうか?
地中熱源空調システムの活用事例集はこちら



